YouTubeには『バイオリンで弾いてみた』動画がいろいろアップされていますよね。
アマチュアからプロまで、様々なヴァイオリニストの方々を知ることができて楽しいです。
数が多いということは、好みのヴァイオリニストと巡り合う確率も高くなるということ!
私が今年に入って知り、大ファンになっているのが、BOYさん。
「BoyViolin」というチャンネル名で、J-POPやアニメソングなどをヴァイオリンで弾いた動画をアップしています。
ヴァイオリンといえばほぼクラシックばかり聴いてきた私にとって、ヴァイオリンってこんなに自由な表現ができるんだ!と世界を広げてくれたヴァイオリニストです。
演奏技術の高さに加え、音楽性・情熱・動画クオリティ・人柄などがあいまって、ヴァイオリン演奏を聴くときめきを感じさせてくれます。
今回は、そんなBOYさんのおすすめ動画を紹介し、魅力を語ります!
ベスト動画紹介
イチオシ動画は 【踊】
まずはイチオシ曲をご紹介します!
開始20秒、頭サビの部分で衝撃を受けました。
ふわ↑ふわ↑をグリッサンドで弾く!
泣いても笑っても愛してね の高音部分も鋭いグリッサンドでしかもポジション移動正確。してね↓ で音程降りるときにさりげなく装飾音つけてから降りてくる!
でまたSayNoでポジション上がる!
響かせろ~ろ~ろ~ろ~の表現!
トドメはAメロに行く前の短い間奏に、細かい音符のアレンジパッセージ入れ込んでくる!
もちろんこの後もすごいです。
BOYさんの演奏技術の高さ、音色の美しさ、グルーヴ感など、魅力を堪能できる一曲!
僕の戦争
ヴァイオリン協奏曲のクライマックスを聴いているような超絶技巧。
高速パッセージ、移弦、重音などなど、“うまさ”が分かりやすく伝わってくる1分30秒間です。
怪物
BOYさんといえばYOASOBIの曲をほぼすべてカバーしています。
どれも素敵ですが私は怪物が一番好きです。特に1:40からのラップパートがキレキレでとてもかっこいい!!
夜に駆ける
初期の頃の動画で、ルックスや動画のテイストが『怪物』とだいぶ違うのですが、同一人物です(笑)。
BOYさんを知った日に聴いたのですが、大好きな『夜に駆ける』をこんなにもうまく弾けるなんて「なんだこの人は!」と思った衝撃を今も覚えています。
発音のよさ、音のキレ、装飾音符。
間奏もハモリも自分で弾いてる。
楽しそうにノリノリで弾く姿に、ヴァイオリンってこんなに自由に弾いていいんだ、弾けるんだ!と目からウロコ。
なお、『夜に駆ける』は人気曲のため『バイオリンで弾いてみた』動画も数多く存在しますので、いろんな方の演奏を聴き比べるのも楽しいです。
One Last Kiss
アップテンポの曲だけでなく、ゆったりした曲も「聴かせられる」というヴァイオリニストの力量が発揮されています。
展開が複雑で、とらえどころが難しい曲だと思うのですが、弾きこなせるのはさすがだなと感服してしまいます。
3:21からの重音飛ばしがかっこよく、そこからラストへ持っていく展開が大好きです。
YouSeeBIGGIRL/T:T
『進撃の巨人』のサントラなんですね。知らない曲なのですが、聴きいってしまいます。サントラをここまで聴かせられるのってすごい。約6分間と他の曲に比べて長いのですが、ドラマチックな展開は聴きごたえがあります。
BOYさんの動画の中でも、最もクラシック寄りな一曲。
なお、ピアノもBOYさんご自身で弾かれています。ヴァイオリンだけじゃなくピアノもうまい!!
炎
私がBOYさんを知ったのがこの動画。
YouTubeのおすすめ動画で煉獄さんのコスプレした人が海辺でヴァイオリン持ってるサムネイルが表示された時は、「は?海辺でヴァイオリン?楽器に悪いよ!」と思ったのですが、聴いてみたらすごくうまくて、「見た目で判断してすみません!」となりました。そこから他の動画を聴き、沼にはまり、今に至ります。
※ちなみに海辺映像ではいつも弾いている楽器ではないので、サブ楽器かな?と思います。
演奏後、煉獄さんから炭治郎へヴァイオリンを渡すという演出に、『鬼滅の刃』への愛を感じて好感度大。
以上7曲、YouTubeの再生リストを作成しましたので、ぜひどうぞ↓
この他にも、素敵な曲がたくさんありますので、ぜひあなた好みの曲を探してみてください!
魅力を分析してみました
なぜこんなにも彼のヴァイオリンに惹かれるのか?
魅力を分析してみました。
音色が美しい!
まず、音がきれい!
響きが豊か。芯があって、ハリもある。フォルティシモでつぶれず、ピアニッシモで貧弱にならない。発音がいい。音の処理も丁寧。
あまりに美しいので、録音の後に補正してるのでは?と疑ったこともありましたが、ライブ配信で生演奏を聴いたら、本当に上手かったです。申し訳ありません。
左手が抜群にうまい!
左手(弦を押さえる方)のテクニックが非常に高い!
音程がいい。
速いパッセージでも指がよく回る。
「上手」のレベルは余裕でクリア。
特筆すべきは、〈ポジション移動〉と〈ポルタメント〉。
まず、ポジション移動から説明します。
ヴァイオリンは、音が上がるときに、移弦する(弦を移る=高い音の弦を弾く)か、ポジション移動する(手を移動させて、同じ弦で駒に近い方を弾く)か、選択肢があります。
普通、移弦で済むのであれば移弦することが多いです。ポジションを移動すると、音を外したり、タイムラグでリズムが乱れたりする危険性があるからです。
ところが、BOYさんは、ポジション移動を多用するのです! もちろん音を外さない! リズムも乱れない! 自分の技術に対する絶対的な自信を感じて、しびれます……!
そして、ポルタメント。
ポルタメントとは、音から音に移るときに、指をすべらせる技法です。音がパキッと切り替わるのではなく、“みょ~ん”とずれる感じ、というと伝わるでしょうか。
BOYさんはこれを絶妙にコントロールして使ってくるので、歌っているように聴こえるんです。クラシックではあまり多用されないので、当初は新鮮で、すごく自由な印象を受けました。
移弦でなくポジション移動を選択すると、このポルタメントにもつなげられるので、そのあたりも考慮して指使いをしていると思われます。
アレンジが秀逸!
『ヴァイオリンで弾いてみた』動画では、伴奏にのせてヴァイオリンで歌の部分を弾く、というのが一般的です。それはそうですよね。
ところが、BOYさんは一味違います。
間奏も、裏旋律も、ハモリも、自分でアレンジして弾いて、音を重ねているんです。
普通のヴァイオリンだけでなく、エレクトリックヴァイオリン(電子ヴァイオリン)を使っていることもあります。
さらに、基本的にフルバージョンです。『人気曲を弾いてみた』動画だと、ショートバージョンにしている方も結構見かけるのですが、彼はフルで弾いてくれます。(すべての動画の原曲を当たったわけではないですが、ほとんど、と言っていい確率です)
また、YOASOBIの大ファンとのことで、YOASOBIの曲では、間奏で『夜に駆ける』をアレンジして入れ込んでくることが多いです。
原曲をリスペクトしつつ、自分のテイストも入れていくセンス、脱帽です。
動画クオリティが高い!
音がきれいなのは、彼の腕に加え、質が高い録音状態ということもあると思います。
しかも、ヴァイオリンと伴奏のバランスが非常にいい。
他の方の動画では、「ヴァイオリンが伴奏に負けている……伴奏の音量を落としてヴァイオリンの音量を大きくしたら、ご自分の演奏の良さをもっとアピールできるのに……」と感じることがあります。
その点、BOYさんの動画では、ヴァイオリンの音が前面に出ていて非常に聴きやすいです。
また、画質も非常にきれいです。
彼は2020年からご自分のチャンネルで動画をアップし始めており、当初は普通に家で弾いてみた動画で、演奏動画にありがちな音と画像の微妙なズレを感じることもあったのが、投稿を重ねるごとにだんだん作りこまれてクオリティが高くなってきました。
概要欄では、レコーディング・ミキシング・編集・アレンジを誰が行っているかもきちんと表記されているのですが、ほとんどご自分でされていることが多いです。
また、彼自身、眼鏡を外したりメイクしたりして、見た目も磨いている様子が伝わってきます。
YouTubeに取り組む本気度を感じます。
BOYさんってどんな人?
台湾人ヴァイオリニスト
台湾の方です。
インスタのプロフィールによると、国立台北芸術大学卒業とのこと。
※チャンネル名はBoyViolinですが、プロフィールにあるとBOYと大文字なので、人名はBOYさんと大文字で表記させていただきます。
ファンと積極的に交流
台湾からの発信ですが、YouTube動画のタイトルや概要は日本語表記も併用されているので、問題なく伝わってきます。
コメントに対する「いいね」や返信も積極的に行っており、ファンと積極的に交流する姿勢は好感度大です。
日本語もできるので、日本語でコメントすると、日本語で返してくださることもありますよ。
また、YouTubeでのライブ配信を不定期に行っています。
YouTubeやインスタで事前に告知してくれます。
アーカイブが残らないので、生視聴必須!
日本語や英語でも挨拶や説明をしてくれるので、中国語はわからなくても楽しめます。
ライブでは、チャットで来たファンからのリクエストに応えてくれることもありますよ。
たまに、メンデルスゾーンやシベリウスのヴァイオリン協奏曲、パガニーニのカプリースなど、クラシック曲から短いパッセージを弾いてくださることがあるのですが、めっちゃ弾きなれてる感が出ていて、やっぱりバリバリクラシック弾ける人なのね、とうっとりしていまいます。「もっと聴きたい!全部聴きたい!」と毎回思っています。
ピアノ・歌・作曲・イラスト、芸術才能の塊
インスタやTiktokでは短い面白演奏動画をアップしており、人柄の良さやお茶目な一面が垣間見えます。
歌声を披露してくれたこともありました。うまかった!
自作曲もアップされています。短いピアノ曲で、穏やかで優しく心にしみるような曲です。
また、アニメキャラを描いたイラスト動画もあります。
まとめ。
ヴァイオリンやピアノだけでなく歌もうまいし、作曲もできるし、絵も描けるって、BOYさん、芸術センスありすぎ!!
以上、ヴァイオリニストBOYさんの紹介でした!
YouTubeがなかったら知ることができなかった人です。いい時代になったなぁ……。
この記事を読んでくださった方も、好みのヴァイオリニストに出会えますように!!
最後までお読みくださりありがとうございました!